第二十話 「燈火〜ともしび」  E1434001N355652

 えー、いきなりですが、タイトルバックの緯度経度で見る限り、ずいぶんと北上してきましたね、竜宮島。ついにかつて東京のあったあたりまで移動してます。フェストゥムの本拠地である北極から離れず逆に近づいているわけで。ああ、そろそろ終盤なのだなぁとしみじみ。あ、それと、今回は管理人不覚にもマジでカンドーしちゃったもんで、つっこみ少ないですが、悪しからず(笑)。
 剣司と衛をぶんなぐる道生。カノンといい、道生といい、元人類軍組は憎まれ役をよく買ってでるなぁと。敵にとりつかれたとしても、仲間を見捨てない竜宮島の子どもたちに、「オレにもそんな仲間が居てくれたら」と本音を溝口に語る道生。多すぎる戦いは、命の価値を軽くし、心をすり減らします。生き残るために必死で、仲間の生き死にをも合理的に処理せざるを得なかった大人たちの世代。しかし、「平和を保存する」という意味で作った竜宮島の子ども達は、大人達の理想を更に超えた 価値観を育てつつあるということなんでしょうか。前回、管理人は「同化される現実を知っているか知っていないかのギャップ」について触れましたが、ファフナーではこの「現実を知らない」ことを逆に肯定的に持っていこうとしてるのか。というわけで、今回のメインテーマはこのあたりかな、と、毎回毎回最初の場面で、その回の主題を暗示してくれるあたりの作りの密度が、なんかすげーや、と思うのでした。
 「大丈夫、覚悟してたから」 メディカルルームで母と姉に見守られて静かにそう告げる真矢。告知したんですね、千鶴、真矢のからだは、ファフナーに乗る事によって、他の人に比べあまりにも早く同化が進んでしまうという事実を。「真矢っ!」と思わず叫ぶ千鶴。あー、アルヴィスミニスカ制服の上でつないだお手々は、千鶴&真矢だったんですか。紛らわしいことすんなよ、予告編!ってここはほっとする場面じゃなくってジーンとする場面なんだってーの(苦笑)。「隠さずに教えてくれてありがとう」と微笑む真矢に、思わず「絶対に、母さんがあなたを守るから!」と告げる千鶴。管理人からもお願いします、千鶴たん、今となってはあなたの研究だけが、管理人の希望なのっ!
 CDCルームでブリュンヒルデシステムのメンテ中の近藤ママンあんど要ママン。乙姫はワルキューレの岩戸には戻らないのかしら?という会話ですが、「ソロモンが沈黙している限り普通の人間と変わらないハズよ」という近藤ママンの言葉をどう解釈すればよいですか?乙姫がなんらかの理由でよりフェストゥムに近づいてしまうことがあれば、彼女すらソロモンの予言にひっかかるってことなのか。3ヶ月後に訪れる乙姫の運命ってどういう形なんでしょう。人としての活動を停止して、二度とワルキューレの岩戸から出られなくなる=島との完全同化ってことでFA?物理的死亡じゃあ、島のコア無くなっちゃうもんね…うーん。
 職員会議のタイトルは、U計画だそうで(笑)。素直にうら盆開催概要でいいじゃんよ!1500種類の風習から厳選ですか。日本の伝統を島一個で守るっていうのもタイヘンなんですね。精霊流しはふたまるまるまる(20:00)を予定って、戦闘予行演習のタイムテーブルみたいないい方は情緒無さすぎだろうよと(苦笑)。
 学校の廊下での咲良とカノンのやりとりも良かったですよね。っていうか…カノンちゃん、13歳なのにちちでかっ!いい場面なのに不謹慎でスミマセン、でも、この回どの♀キャラも、胸のサイズが5割増しくらいいっちゃってたような気がするんですが(笑)。剣司や衛の前では決して見せることのなかった心情を、カノンに吐露する咲良。「翔子のように自爆する勇気もなくて・・・」というセリフが痛々しいです。「あのまま死んでれば良かったのかなぁ」とつぶやく咲良に、「そんなことはないっ!」と思わず大声で言ってしまうカノン。敵にとりつかれたものは処理する、という、多すぎる戦いの中で生まれた合理的なルールを今まで疑うことも無かったカノンにとっては、こうして仲間を救うという選択もありえるんだ、と知っただけでも驚きだったんでしょう。「私はお前がうらやましい、剣司も衛もお前を守ろうと必死だった」はからずも、冒頭の道生と同じ感想を持つカノン。「アイツらバカだから、あんたが敵にとりつかれても同じことするよっ!」。そう、既にカノンも咲良たちにとっては大事な仲間。いいなぁ、なんで島のコたちって、こんなに純粋なの?そこに現れた当の剣司と衛。カノンに銃を向けたことを謝ろうにも、うまく言葉が見つからない剣司。コイツ、口説き文句以外しゃべり方考えた事無かったんだな(苦笑)。「当てるつもりは無かったんだ、全部はずしたろ?」って、全部はずれただけだろーがっ(笑)。「あ、お、オレが咲良を・・・」という剣司の言葉をしまいまで言わさず「ば、ばーかっ!」とさえぎる咲良のあわてっぷりがカワイイ。最後まで言わせてやれよ〜w
 2年の教室では、乙姫ちゃんに盆踊りのレクチャーをする堂馬、芹、西沢の面々。「遠見せんぱいと踊れるかなぁ」って、やっぱり西沢さんちのお孫さんは、管理人の見込みどおり百合でしたか(笑)。「フォークダンスじゃないっちゅーの」と芹ちゃんにつっこまれてますが。無邪気な表情で拍手しつつも、千鶴が遂に甲洋のカプセルを凍結しようとしていることに気づく乙姫。それは史彦と千鶴が出した苦汁の選択でした。甲洋が人として復活できることに、一縷の望みを託していた千鶴でしたが、甲洋自身がコアギュラ型を呼んでしまった先日の戦いを思えば、この時点ではやむない選択だったのか。もっとも、今回のテーマからすれば、これも「大人側の論理」ってことになるのかな。甲洋のカプセルの横のパネルを操作する千鶴、唇ふるえてましたね。それにしても、あのパネルに、赤い字でデカデカと、「凍結しますか?YES NO」って画面が出ちゃったらどうしようかと思ったヨ(苦笑)。本当に、春日井夫婦が維持装置はずそうとした頃のファフナーって、今から思うとつっこみどころ満載だったなぁ(苦笑)。
 提灯にも灯がともり、準備万端の竜宮島の盂蘭盆。史彦が露店出してますが、「相変らず芸術的な皿だねぇ」っと、西尾のばあさんにもつっこまれてます。っていうか、それ、皿じゃないから(笑)!「紅音のようにはうまくいきませんよ」って、そうか、アンタがロクロを回すのは、紅音への追悼だったのか、泣かせるけど、その皿は笑える!っていうか、アンタの皿を唯一使ってくれてる一騎すら、「使いにくい」ってこぼしてるらしいですぜ(笑)?
 その頃、凍結処理を施され、もはや水の色も藍色に変わってしまったポッドの中で、まだ生体活動を止めてなかった甲洋が、苦しげに内側からポッドを叩きます。「苦しい?生きることをやめたい?私も何度もそう思ったよ・・・でも、お願い!」 浴衣姿の乙姫がそうつぶやいた瞬間、甲洋を封印していたポッドのふたが開きます。甲洋にも、選択させるのか、乙姫…
 さあて、ここからが楽しい楽しい浴衣祭りなワケですが、やっぱり浴衣っていいよねぇ、えへっ。衛は甚平でしたか。総士は黒が好きだなぁ。みんな柄がシンプルなのは、そりゃあ作画がタイヘンだからですよ。某企画で、浴衣の柄大量に描くのがどんなに厄介だか、管理人は身にしみて知っている(苦笑・某種関連だったんですけどね)。オンナのコ三人の登場で、俄然色めき立つ剣司くんとゴウバインくん。「似合う?」という真矢に、普通に「うんうん、似合う!」と返す二人のナチュラルさに比べて、総士のリアクションがヤバすぎるだろ〜(爆笑)。それって、一応照れてるワケ?なんで一騎に「なんだっ!」ってつっこむかなぁ。「なんだよ…」って返す一騎も笑えるけどな、ほんと、あんたらいいコンビだから(笑)。「カノンも浴衣持ってたんだ」と聞かれて「容子が着せてくれた・・・変か?」とはにかむカノンちゃんがカワイすぎっ!無邪気に盛り上がる剣司と衛とは対照的に、その言葉を聴いて思わずうつむいてしまう総士と一騎…本当なら、それを着ていたのは違う人だったはずだと…
 にぎやかな屋台をよそに、だーれも来そうにない史彦の露店を小楯パパがからかってますが。そういえば、パパも衛とおそろいの甚平なのね〜。「売れるのかぁ。これ?」の問いかけに、何もそんなにきばって「売れんっ!」って答えんでも(苦笑)。ところが、そこになんとひやかしではない客がっ(笑)。「あの・・・ひとつ・・・ください」 うわぁ、千鶴たん、その年でそんなにカワイイなんて奇跡的だよ(涙)。というわけで、史彦のわけわからん手作り食器の扱いに苦労する犠牲者が、二人に増えました(笑)。
 カノンに妙な振り付けでゴウバイン踊りを教えてる衛、せっかく1500通りもの風習から厳選したハズの伝統を、間違って伝えてどうするかな衛くん!GIFアニメのようにあやしげなカノン&ゴウバインくんの踊りをバックに今度こそ昼間伝えられなかった言葉の続きを咲良に伝える剣司。「一騎より強くなって咲良のこと守れるようになるから!」よーし、今度は言えたな、剣司くん。「ば、バカ・・・それこそ必要ないって・・・」とうつむく咲良ちゃん、ほっぺた真っ赤でしたね。というわけで、公式でガチのカップルは、道生・弓子と、剣司・咲良で2組・・・・もう、これ以上増えなくていいかも・・・
 
溝口さんの射的屋で、おもちゃのライフルに狙いをつけては見たものの、あんまり重くて落とすことのできない一騎。「はい、残念賞のりんご飴」って言われて、思わず「ムリですよ、あんなのっ!」とぶーたれる一騎。その後ろで既にりんご飴持ってる総士。やっぱりアンタもダメだったんか(苦笑)。「あたし、やりますっ!」とチャレンジャーな真矢、おもちゃのライフルのグリップのスイートスポットに、強烈なショットを当てて、なんと落としちゃうわけで。りんご飴持ったまま「落ちた・・・」とシンクロする一騎と総士がハゲしくカワイイっ!ああ、今日はええもん見れたわ〜(笑)。「どうする、お嬢ちゃん、持って帰る?」と溝口に聞かれて素で困ってる真矢。そうだよ、なんでムキになってライフル落としたんだよっ?普通オンナのコなら隣のクマちゃん狙うだろうがっ(笑!いや、ちょっと待て、一番上段を見ろっ!なんと、キミがスキでスキでたまらない一騎くんのとーちゃんの芸術作品まで並んでるぞ?モノにするならまず親を落とせって、君のねーちゃんの相方が、この間身をもって実践してたじゃないかっ!やっぱりここはあの芸術作品を狙うべきだって・・・(もっとも、真矢の射撃の威力だと、芸術作品いっぱつで粉々になりそうですが)。結局は、「やっぱりりんご飴ください・・・」ってことになった真矢ちゃん。この後3人で並んでりんご飴食ってたんでしょうか?っていうか、この3人が同時に会話してるところって想像するの難しいんですが(苦笑)。ああ、なんでこんな詰め込み脚本なんだよぉ、3人で微妙な会話してるところも見たかったぞっ!
 
祭りも終りに近づき、浜辺で精霊流しが始まります。「臆病になった私を見て、とうさん笑ってるかな」という咲良に、「きっと少しだけ笑って安心してるわ」と答える要ママン。咲良の父は、娘に復讐して欲しいなどと思ってるはずもないわけで。「翔子のところにも届くよね」という真矢の言葉に「ああ」と答える一騎。その頃、いつの間にか自分のロッカーから制服を出して着て、アルヴィスから抜け出してさまよっていた甲洋。くるくる回る無数の風車をバックに、綿飴を持った浴衣姿の乙姫のカットが、なにやら鈴木清順あたりの映画のワンシーンみたいでエライ鮮烈です。「そう、こっちにおいで・・・」という乙姫の言葉とともに、Aパート終了。おっと、アイキャッチが最初のバージョンに戻ってるのは、今回はファフナーの出番が無いから、ってことでいいんですか(メガセリオンがちょこっと出てくるけど)?
 Bパートしょっぱなは、溝口が仕込み中の「楽園」。ドアの開く気配に振り向けば、そこには甲洋の姿が・・・抑揚の無い声で「ただいま」と繰り返す甲洋。その瞳には、乙姫の瞳と同じ模様が刻まれている上に、赤く変色しています。それにしても、あんな親でも甲洋にとっては親だったんだね、真っ先にここに帰ってきた甲洋のことを思うと泣けてくるんだけど、溝口はそれどころじゃなかろうと。「なんてこった・・・」とつぶやく溝口。次に甲洋が立ち寄ったのは、やはり翔子の家・・・いつに無くほえるショコラ(って、あれ?いつの間にショコラって、犬の声でほえるようになったんだ???)に、違和感を覚えつつも散歩に連れて行こうとするカノン。翔子の麦わら帽子をかぶったときに、あえてその下の銃は身に着けなかったわけですが・・・(あの服に銃提げてたら、そりゃあ違和感ありまくりだけど)。 そして、一騎の家の前の階段の上を歩く甲洋の姿を見つけ、愕然とする一騎・・・
 残りの子ども達はアルヴィスに集合しているわけですが、そこで甲洋のポッドがもぬけの殻である事実を知ります。動揺する子ども達に「甲洋は全細胞を凍らせて封印する予定だったんだ」と告げる総士。「皆城くんっ!」と制止しようとする千鶴におかまいなしに「その甲洋が動き出してしまった。こうなればフェストゥムとして処理するしかない」と続けるわけで。ここでの総士の行動は、やっぱり乙姫と打ち合わせ済みと考えるのが妥当でしょう。その言葉を聴けば、じっとしてられる連中じゃないことぐらい、総士が一番良く知ってるわけで・・・そうなんだよね、道生よりも、カノンよりも、実は総士が一番憎まれ役買いまくってるんだよね(苦笑)。子ども達がかけつけた先は、竜宮島の墓地。案の定、そこには翔子の墓をなでる甲洋と、それを見つめる一騎の姿が…
 子ども達は、甲洋をかばって要家の道場に立てこもることに。向かいの崖の上から溝口が、甲洋狙撃のチャンスを狙っている一方、親達は必死に子どもたちを説得中。「そいつはもう、お前らの知ってる甲洋じゃないっ!」という小楯父の言葉にも全く耳を貸さない子ども達。相変らず貧困なボキャブラリーながら、必死に甲洋をかばう剣司に、衛、「総士、アンタもこっちにきなよっ!」っていう咲良の姐御っぷりもステキだ(笑)。そうやって立てこもった道場の中で甲洋がつぶやいた言葉は、「助けてくれて・・・ありがとう」。「当然だろ?オレたちは・・・」と剣司が答えると、「海・・・海か?遠見を確かに・・・助けたぞ・・・一騎・・・」と続けます。あの日、あのときからずっと甲洋の時が止まっていたことに気づいた一騎が、思わず涙ぐんで、「甲洋・・・」と絶句したときゃあ、管理人も思わず涙ぐんじまいましたよ。「甲洋、あたしはオマエを助けられなくて・・・」と、涙で言葉が続けられない咲良にも、「ありがとう、咲良・・・」と答える甲洋。「お前が遠見を助けてくれたんだ、甲洋」という一騎の言葉で、あの日甲洋に伝えることができずに後悔し続けた日々が、浄化されて行くわけで・・・こうして、再び甲洋の時が刻み始めたことに涙する子ども達をよそに、日没前の強行突破を決意する西尾ばあーさん。そこで「待ってください、僕にやらせてください」と、初めて総士が動きます。要ママンから借りた2本の木刀を持って、「一騎、出て来いっ!」と叫ぶ総士。「オレと勝負しろ、一騎!」 うわぁ、管理人、こういうのよわーいっ(笑!あまりに唐突なカンジがするのは、ここで「何を賭けて勝負するか」って説明が抜けてるから。カンベンしてやって、ウブたんは、一話につき放送可能な分の倍の脚本書いちゃう人なんだから、想像すりゃあなんとかなるところは、全部削除なのよ〜、足りないところは視聴者が補ってあげてくだつあい(笑)!っていうか、羽原か冲方かどっちかわかんないけど、どうしても竜宮島で残すべき文化の中に、西部劇を入れたかっただけなんだよっ(<それ、日本の文化と違うからっ!)。決闘の場面で短銃くるくる回すのは西部劇のオヤクソクですが、総士くん、なんと木刀回しちゃってますから(このあたり、管理人もうのたうち回って死にそうでした)!でもって、西部劇のオヤクソクは、この主人公の決闘の場面で必ず吹くはずの一陣のつむじ風なわけですが、いくらなんでも竜宮島の要さんちの裏庭じゃあそれはムリだべ、と思ったら・・・やってくれたよ製作陣(泣)。なんと、ここでメガセリオンを配置につけて、その着地の時の爆風で砂埃おこしちゃうって荒業に出ましたよ!もう、この演出は神としか言いようがないから(爆笑)。ただ、ひとつ惜しいのはね・・・この作品の視聴者のメインの年代層じゃあ、これに気づいた人が殆ど居ないだろ、ってことです・・・いいんだよ、こんなの楽しんだもの勝ち(笑)。
 メガセリオンから「このバカもん、またぶん殴られたいかっ!」と恫喝している道生くん。それに対して「もしもアンタが同化されたら、おんなじようにオレたちが守ってやるよ!」という剣司の言葉が、冒頭の「そんな仲間が居てくれたら」という道生のセリフと呼応してます。一話のうちで、こうやって小さいネタを完結させてくれるのって気持ちいいよね。そんな中、何故甲洋ひとりにメガセリオンまで出撃させたのかと考えた真矢が、はっと気づいて向かいの崖を見上げると、案の定、そこには溝口のライフルのスコープのレンズが夕日を反射する光が見えるわけで。ええっと、ファフの前半と後半で総士もすっげー人格変わりましたけど、真矢も負けず劣らずのバケっぷりだよね。最初の頃のぽけぽけっぷりから、先週からのゴルゴ13へ化けると誰が予想したでしょう(苦笑)。メガセリオンが他の子ども達をひきつける囮であることに気づいた真矢が、甲洋をかばって溝口の射線上に立ちはだかります。こうなると溝口も「そっりゃあないぜ、お嬢ちゃん」状態。
 一方、木刀で決闘中の一騎&総士、こいつらやっぱり子どもの頃はこうやてチャンバラごっこやってたんかなぁ・・・木刀と木刀がぶつかり、お互いの動きが止まった瞬間、総士がまっすぐ一騎の目を見たまま、小声で「甲洋を守ってくれてありがとう」と自分のスタンスを一言で伝えるわけですが。一瞬虚をつかれた一騎に畳み掛けるように、今度は一騎から視線をそらさぬまま、大声で「甲洋の時間は止まっている、何の感情もないハズだ!」と叫びます。総士の意図をまだ把握しきれぬまま「甲洋は感謝してくれた!」と叫ぶ一騎。この答えを聞いた瞬間の総士の「ニヤリ」に管理人悶絶死しそうだったワケですが(笑)。この瞬間、「そう、それでいいんだ、カズキ」という総士の声が、確かに聞こえちゃいました。ほんとだってば(笑)。そして、今度はわざと一騎から視線をそらして、「では甲洋の中で時間が進んでいるというのか?」と問いかける総士。そして、即座にその意図を汲み取って、やはり視線をそらせて「甲洋は咲良にありがとうと言った!」と叫ぶ一騎。こいつら、アイコンタクトしてますよ?目と目で通じ合っちゃてますよ?(ふるっ!)
 そして、総士の狙いどおり、この会話が一番聞かせたかった相手である史彦と千鶴に与えた効果は十分すぎるものでした。「同化した人間がありがとう?バカな・・・」とつぶやく史彦。溝口への狙撃命令を出すのに躊躇する史彦。しかし、その刹那、フェストゥムの同化本能が活性化し始めてしまった甲洋が、「あなたはそこにいますか」という例の言葉を・・・思わず硬直してしまう真矢、ふらふらと歩きだした甲洋に駆け寄っていったのは、カノンが連れていたショコラなわけですが。自分をかわいがっていた甲洋をしっかり覚えていたショコラ、それを甲洋がなでても同化の兆候は起きません。しかし、翔子の服を着たカノンの姿を認めた甲洋が再び発する「あなたはそこにいますか・・・」の問いかけ、それとともに、甲洋の左の手のひらからはあのクリスタルが・・・はっとしたカノンが左の脇をさぐっても、いつも在ったはずの銃はそこにはありません。そのときカノンがとったのは、両手を広げて甲洋の前にたちはだかること、そして発した言葉は「前はいたが、今はいない」という例の一節。思わず飛び出そうとする一騎を、制止した総士が、「一騎、信じろ、一騎!」と言った言葉の意味は・・・対峙する甲洋とカノンの中に総士と一騎が見たものは、まぎれもなく7年前のあの樹の下にいた幼いふたりの姿だったハズなわけで。あの時、一騎が総士をこちら側に引き戻してくれたように、今度はカノンが、そして翔子が、必ず甲洋を元に戻してくれる、だから甲洋のことを信じろ、という事で、総士のセリフの補完はおけーですか?甲洋がカノンの中に見た翔子の幻影が、「前はいた、今はいない」という言葉のままにうっすらと消えてゆき、そこには甲洋の見知らぬ少女の顔が現れます。その瞬間、全てを思い出し、「翔子は、もういない・・・」と搾り出すようにうめく甲洋、そして、その手のひらからあのクリスタルが砕け散って行く・・・なんかもう、鳥肌たっちゃいましたよ、この展開には。泣き崩れる甲洋の肩を抱く一騎(あ、やべ、不覚にも守備範囲外のカプで萌えそうになった・苦笑)、「翔子が・・・翔子が・・・」と泣きじゃくる甲洋の瞳は、もう元に戻ってます。一緒に「翔子は・・・翔子は・・・」と嗚咽する一騎。あの日お互いにしこりを残したまま別れ別れになってしまったふたりの時間がここで一気に戻ったんだよね、ああ、なんか、こういう救われる感じで泣けちゃうのって・・・すっごくいいかも・・・やっぱファフ見ててよかたよ(<結局そういう結論にしか行き着かない)。
 「真壁、今なら目標だけ撃てるが・・・」という溝口の言葉に、「溝口・・・フェストゥムは・・・泣かない!」と答えた史彦が、えれぇかっこよく見えちゃったじゃないかよう・゚・(つд`)・゚・「ソロモンに応答あり、スレイブ型と断定」という言葉に思わず涙しちゃう千鶴。「フェストゥムが・・・自分から同化能力を消した・・・」そうだよ、千鶴、あなたの努力はムダじゃなかったんだって。結局甲洋を苦しめただけだったんじゃないかと苦しんでいた千鶴にも、こうやって救いがあるなんて、もう、ホントに憎いぜっ(泣)!とりあえず、マスター型といえば紅音をしちゃったタイプで、同化した人間に対して主人(マスター)となってしまうフェストゥム、乙姫っていうのは、コアギュラ型に同化された鞘の体内から分岐したものだからコア型(うっかりしてると、これがクワガタに聞こえてしまうのですよ・苦笑)、そして、フェストゥム側が人間側に隷属する形になればスレイブ型ってことでいいのかな?フェストゥムくんと人間のハイブリッドも、種類多すぎで、管理人覚えるのがタイヘンです(苦笑)。
 「今はまだ少しだけ早いの、いつかその日が来るまで、お休み甲洋」という乙姫の言葉・・・いつか、ってやっぱり、北極ミールとの決戦の時なのか?なんか、いよいよその日が近づいてきてるんですね・・・ああ、今からどきどきしちゃうやら寂しいやら、複雑だぁ(苦笑)。
 ラストの精霊流しのCGは、すっごく良かったですよね。皆城家の精霊って、やっぱり総士と乙姫で作ったの?劇中では、蔵前の精霊と同じレベルでスルーされてて、ちょっとかわいそうだった…

次回予告 甲洋が、葉を散らして冬を迎える前の紅葉なら(でも、きっと春になれば復活する、っていう意味で)、咲良はやっぱり、散りゆく桜ですか?どう考えても、この時期、この緯度で桜は咲かないはずなのに、あでやか過ぎる満開の桜に、思わず不吉なものを感じちゃうじゃないですかっ!
 あー、でもコメディーパートもちゃんとあるのよね、日野家で楽しいみんなの合宿。風呂も雑魚寝もアリですかっ?(いやーん、どうしようっ!)。もう、総士の私服につっこむのはやめようやめようと思いつつ・・・風呂場の掃除の時くらいは、違う服にしてください、おながいしまつ・・・